自転車でのロングライド旅をテーマにした『びわっこ自転車旅行記』も、今回で3巻目です!前作、前々作ともにハードなロングライドをしていたびわっこ姉妹ですが、今回は姉妹の次女シホが高校生時代におこなった、実家の滋賀から北海道を目指す自転車一人旅のお話です!
毎回毎回なかなかにショボイ装備で出発していますが今回もやっぱりすごいです!なんといっても主人公のシホは高校生!お金がないのでロードバイクも買えません。自転車は父親がプレゼントしてくれた激安のマウンテンバイク。プレゼントはうれしいですが、この値段はもう不安しかありませんよね(笑)
とはいえ背に腹は代えられないので粗悪MTBに乗って北海道を目指すことに。まずは日本海沿いを北上して東北を目指します。
が、何度も続く峠道や真夏の太陽の照りつけ、そして初めての野宿のストレスなどから2日目にして心が折れかけてしまうシホ。読んでるだけでもその気持ちはものすごく理解できます(笑)
その後なんとか持ち直し旅を続けるんですが、なんというか日に日にたくましくなっていくんですよね。ちょっとしたトラブルとかぐらいなんとか対処していくようになっていきます。やっぱり一番最初の心の難所を越えたら人間なんとかなるもんなのかもしれません。7日目にはもうどこでも寝れる状態に!たくましすぎます(笑)
ちなみにこの漫画は作者の実体験を元に描かれていますが、もちろん作者の大塚志郎さんは男性です。女子高生で野宿はさすがに危ないですからね~。
さて、シホは8日目にして当初の予定通り北海道に到着するんですが、せっかく北海道まで来たしということでなんと最北端の宗谷岬を次なる目的地にします。なんという行動力!これが若さか!と漫画ながら思わず叫んでしまいました(笑)
北海道は昔バイクでツーリングしたことがあるんですが、札幌や函館のような市街を抜けると本当に何もない道が永遠に続いているんですよね。信号もほとんどありませんので時速60kmで走っていたら1時間でしっかり60km進んでいたりします。「ジャスコまで120km」みたいな看板とか出てたりしてね、いやいや120kmて!ってツッコんだりしてたのをこの漫画読んでて思い出しました(笑)
自転車で北海道はサイクリストの夢ですよね!みんな一度は行ってみたいと誰でも思っているのではないでしょうか。今作はそんな夢見るサイクリストに現実を教えてくれる素晴らしいマンガです。冒頭に出てくるシホの日記の文章がそれを物語っていますね(笑)
今回はシホの一人旅だったので姉妹の掛け合いがなくて寂しかったですが、それでも安定の面白さでした。まだ読んでいない人はぜひ3冊セットで読んでみてください。