ロードバイクのフレームに使われてる素材って、カーボンが一番いいものって認識でいたんですが、他のフレーム素材の乗り心地のほうが好きって人もけっこういますよね。
なんで一番軽いカーボン以外のものをわざわざ選ぶのか謎だったんですが、素材それぞれに特徴があって、最近は一概に軽いという理由だけでカーボンフレームが一番いいと言い切ることはできないような気がしています。
目次
フレームに使われてる素材、主な5種類
アルミ
今でこそ比較的価格も落ち着いてきたカーボンフレームが主流になっていますが、少し前まではミドルクラスくらいのロードバイクだとアルミフレームが一般的でした。
とはいえ、アルミは材自体の価格も比較的安価で加工がしやすい金属で、錆びにも強く比較的フレームとしての価格帯も比較的安いため、初心者用のロードバイクから上級者が乗っているようなタイプまで幅広く普及しています。
アルミフレームは伝わった力が分散されにくいようで、ペダルに踏み込んだ力がそのまま伝わって推進力に変えてくれるのでスプリントで効果を高く発揮するようです。そのため、カーボンではなくアルミフレームを愛用しているプロも多いようです。ただ、そのかわりに振動吸収性には優れているとはいえず、地面の振動が体に伝わりやすいので長距離を走っているとけっこう疲れます。
ただ、アルミは他の金属と比べると寿命が短いと言われています。というのも金属には金属疲労というものがあるのですが、鉄などの金属は疲労限度というものがあるため、ちょっとづつの力であればそれ以上疲労が蓄積しないようになっています。対してアルミにはその疲労限度がないため、加える力の強弱に関係なく疲労は蓄積していってしまいます。そのため、どんな乗り方をしていても、少しずつ確実にダメージが蓄積されていき、最終的には破損してしまうんです。
どれくらいで限界を迎えてしまうかはその人の乗り方にもよるので一概には言えませんが、私がキャノンデールの店員さんから聞いた話では10年経ったらあまり乗っていなくて大丈夫そうでも乗り換えたほうがいいらしいのですね。
スチール(クロモリ)
スチールは鋼のことで要するに鉄です。よくクロモリという言葉を聞きますが、クロモリとは鉄にクロム、モリブデン等を添加した低合金鋼の一種、クロムモリブデン鋼の略称です。昔はスチールフレームと言えばクロモリみたいなところがあったんですが、最近ではクロモリ以外の合金を使ったフレームもけっこう見かけます。
合金ごとに微妙に特徴が違うのですが、まあ鉄なんで強度や耐久性が強く、そして錆びやすいです。
ただ、伝統のある素材であることと、そのシンプルかつスタイリッシュなデザインからファンも多く、あえてスチールフレームを選ぶ人も少なくありません。ちなみに私もスチールフレームのロードは一台欲しいです。理由はかっこいいから(笑)
カーボン
初心者がロードバイクを買うときに迷うのは要素のひとつがこのカーボンです。カーボンかそれ以外かで迷います。もちろん私も迷いました。
現在のロードバイクの主流となっているカーボンフレームですが、炭素繊維を熱処理を行い、グラファイト化したものがカーボンとなります。軽いのに強度があってしかも形状も比較的自由に作れることからワイヤー類をフレームの中に入れスッキリさせたり、空気抵抗を考慮した構造にしたりすることができるのが特徴です。
劣化しいくく、強度もあり、軽く、振動が伝道しにくいので乗り心地もいいといういいとこしかないような素材ですが、価格的には落ち着いてきたとはいえ、まだまだ高くて初心者は手が出しにくいです。
あと、もうひとつ最大の欠点とも言えるのが強度の低さです。先ほどカーボンは強度があると書きましたが、たしかに引張の力には強いのですが、衝撃に対しては非常に弱いんです。この特徴は元素記号が同じ”C”であるダイヤモンドと似ています。ダイヤモンドもヤスリで削ろうが傷一つ付きませんが、木槌でコンと叩いたら粉々になってしまうくらい衝撃に対しては弱いんです。カーボンフレームもたとえば走行中に車のタイヤが弾いた石などが当たったりしたら簡単に破損してしまうので、そのあたりのリスクは考えておかなかればいけないかもしれません。
ステンレス
ステンレスって聞いたら台所のシンクしか出てこないんですが、実は自転車フレームとしては、耐久性・衝撃吸収性があって、しかも錆びにくいという特徴があります。重量的にはだいたいクロモリに近いそうなのでそこまで重たいってわけでもないようですね。
ただ、ステンレスは加工するのが難しいということと、素材自体の価格も高いため、フレームとしてはあまり普及してはいないようです。ただ、現在主要の上記3つの素材よりも耐久性・耐食性と言う観点から末永く愛用する事ができる素材だと思いますので、愛用のロードバイクを長く使いたいという人はステンレスのフレームを選択してみるのも悪くないかもしれません。
チタン
フレーム素材としては非常に珍しいチタンですが、耐久性があり、錆びに強く、紫外線にも強く、振動吸収性にも優れているため、金属の性質的には自転車に非常に向いていると言えます。乗り味は私は乗ったことないのでわからないんですが、クロモリとアルミの中間のような独特のもののようです。
ただ、金属の加工が難しく、また金属自体の値段も高いため、取り扱っているメーカーも少ないようです。ちなみに日本のメーカーではパナソニックがチタンフレームを製造していますね。
10年以上乗り続けても変わらず快適に走れることから、「一生モノ」のロードバイクが欲しい人はチタンフレームを選択してみるのもいいかもしれません。
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